2021-11-28_162019
共産党・志位委員長は先の衆議院選挙の野党共闘の継続を訴え 「攻め込み追い詰めた」と発言したが、選挙結果が見えないのか、どこを見てそんな考えをするのか不思議でならない。


 

10月31日投票の衆議院選挙は立憲民主党と共産党が選挙協力して、政権を奪還するという触れ込みで、与党を過半数割れに持ち込む戦略であった。

ところが予想は大きく外れ、結果は、自民党が15議席を減らしたが、単独過半数の223を上回る261議席を獲得した。

逆に立憲民主党は13議席減の96議席となり、共産党は2議席減の10議席となった。

大きく躍進したのは維新で、30議席を増やし41議席となった。

 

この結果が起きているのに、何故か共産党の志位委員長の頭の中は、政権奪取の夢を見ている。


28日のフジテレビ系FNNは、
共産・志位委員長 野党共闘の継続訴え 「攻め込み追い詰めた」と報道した。 

国内

共産党の志位委員長は27日、中央委員会の総会で、10月の衆議院選挙では、野党共闘で自公政権に「攻め込み、追い詰めた」として、野党の共闘の継続を訴えた。
共産・志位委員長「今回の総選挙は、支配勢力に攻め込み、追い詰めた」、「野党の共闘は重要な成果を勝ち取ったことをまず強調したい」
志位委員長は、総会で「限定的な閣外協力でも、共産党が協力して政権が生まれたら、政治を根本から変える巨大な一歩となり、支配体制を土台から揺るがす」と述べた。
そして、「野党共闘を前進させるため、今後も揺るがず力を尽くす」と述べ、2022年の参院選でも共闘を継続すべきだとの認識を示した。

https://www.fnn.jp/articles/-/276966

 

結果はひいき目に見ても、「追い詰めた」「重要な成果を勝ち取った」ことになっていない。

少しでも自軍の議席を増やしていれば、過大に表現できるが、残念ながら議席を減らしている。

当選したのは小選挙区の沖縄で1人、後は比例の9人である。

委員長は直接訴える小選挙区当選ではなく、比例区当選という何とも言えない寂しさである。
「共産党が協力して政権が生まれたら、支配体制を土台から揺るがす」

と夢を語るが、それが実現出来る要素は何処にもない。

 

これを聞いて思うのは、学生時代に全共闘運動が盛んであったが、

それと対立していたのは、共産党が指導する民青(日本民主青年同盟)であった。

過激な行動を控えて着実な社会進歩を目指すという活動姿勢である。

当時の1969年(昭和44年)12月の総選挙では、日本共産党は5議席から14議席に躍進した。

しかし、現在の議席は10議席であり、進歩も躍進もしていない。

 

ここから読み解けるのは、共産党の目指す社会は、共産党宣言や共産党綱領の中と、志位委員長の頭の中にあり、国民はさっぱり支持していないことである。

いわば革命を夢見る仲間の内だけで、何時の日か支配体制を揺るがしたいという想いで頭が一杯なのである。

だから現実をまともに見ることが出来ず、言葉の使い方は、思い込みと決意だけである。

この言葉の使い方は、全共闘運動の時と同じである。

選挙結果が見えず、思想に浸り、分析出来ずに、思いが先行している。

志位 和夫は1954年(昭和29年)7月の生まれで、全共闘世代よりちょっと若い67才である。

2000年から21年間委員長であるが、これも不思議なことである。

党の組織が進歩していないことの現れであり、委員長選挙も行っていない。

開かれた党ではなく、閉ざされた党である。

選挙しないことを民主集中制とか、都合のよい言葉を使って説明するが、ようするに独裁体制である。

委員長が自ら降りると言わない限り、交代がない。

ただ感心するのは、時代が過ぎても、一定の人の賛同を取り付け、議席を維持していることである。

これは社会を見て矛盾を感じた人が誘惑的政策や変革、革命的思想に引き付けられているのだと思う。党の目的は組織の発展よりは組織を維持することが自己目的になっている。

共産主義革命思想、独裁体制が生きているのは、中国、北朝鮮、ベトナム、キューバなど一部の国だけである。

歴史的には終わった思想であるが、現在も生き延びている。

時々ウイルスのように罹患する人はいるが、大きくは広がらない。

革命思想、独裁体制の危険性をよく解っているからであり、現実を見る目があるからである。

個々の政策では妥当なこともあるかもしれないが、国民の歓心を誘うだけの政策の下には鎧があることを国民は理解・察知している。

共産党に存在意義があるとすれば、時の政権を批判する主張を聞いて、現実と照らし合わせることにより、その問題点や危険性を国民が察知、理解する機会を得て、健全な社会を維持できる反面教師の役割だけであると思う。