歴史教科書の「日本史A」を読んでいて気が付いたことがある。
事件や事変の重要人物の死は伝えるが、戦争などの死者数を伝えていない。
歴史教科書は無味乾燥・無慈悲に思えた。
幕末からの近現代史を見ると、
戊辰戦争、日清戦争、日露戦争、満州事変、ノモンハン事件、上海事変などの死者数は全く出て来ない。
例外的に大東亜戦争(太平洋戦争)における沖縄戦、原爆投下による死者数を伝えるが、全体の数は伝えない。
これが教科書というものなのか。これでよいのだろうか。
歴史は民族の物語であると言われるが、今の教科書はなぜこんなにも無味乾燥なのであろうか。
一片の感情も伝わらず、まるでモザイクのように歴史の断片を拾い集めているだけで、物語にならない。
民族の物語として伝える意思も目的も持っていない。
ならば何のための歴史であろうか。
歴史の原因や理由を求めるでもなく、結果を問うでもなく、単なる出来事の羅列・陳列となっている。
教科書の特別項目では、疑問点を出そう、テーマ設定をしようと事例を上げて生徒に呼びかけているが、これは丸投げに等しい。
本来は教科書が原因や理由は何かと設問を作り、生徒が深く考える様に導くようにすることが大事なのである。
テレビなどの歴史クイズ番組は、暗記脳を鍛えるだけで、問題解決や原因追及する課題解決脳は鍛えられず、まして歴史から課題が見えて来ることもない。
結果的に起きた事実が流れているだけで、全く受け身の人間が出来上がるのである。
教科書を学んでも大東亜戦争(太平洋戦争)が何時起こり、どこで始まったかを答えられても、なぜ起きたのかについて答えられる人は少ないのではないかと思う。
学び方が暗記脳になっているからである。
歴史から将来に対する備えとして教訓を読み取ろうとするだろうか。
現実世界に対処する時に、歴史を振り返って考える時があるだろうか。
先の戦争の被害を思えば誰しも戦争は嫌なことであり、もうこりごりだと思うが、ならばどうやったら戦争を防ぐことが出来るかについては、あまり考えが及ばない。
憲法9条を守っていれば大丈夫だ、もし攻められたら、白旗を上げればよい。
危なくなれば海外に逃げよう、などと安易に思っている人もいる。
これは個人レベルの話で、国家を守るとか、民族を守るとかいうことにならない。
国家、民族を捨てて流浪の民や奴隷的身分になる覚悟ならばそれもありかもしれない。
日本の歴史を考えれば、やはり侵略されれば徹底的に戦うだろう。
そのための備えをしておかなければいけない。
国際情勢を考えれば、日米同盟はその内の一つであるが、自国による防衛力の強化も必要である。核武装も必要である。
敵の侵略の意図を挫くだけの防衛力を持つことが必要なのである。
最後にウキペディアにより、戦病死した英霊達の数を確認して誠を奉げたい。
戊辰戦争 新政府軍3556人 幕府軍4707人
西南戦争 明治政府軍6400人 薩摩などの士族軍6800人
日清戦争 日本軍13311人 清 死傷35000人
日露戦争 日本軍88429人 ロシア軍81210人
満州事変 日本軍死傷者24人 中華民国死傷者340人以上
ノモンハン事件 日本・満州軍9130人
ソ連・モンゴル軍9983人
第一次上海事変 日本軍769人
中華民国4842人 民間人6080人
行方不明14000人
第二次上海事変 日本軍死傷者43672人
中華民国死傷者25万人
太平洋戦争(大東亜戦争)
日本軍他枢軸国 212万1千人(柳条湖事件以降の15年戦争)民間人80万人
連合国軍400万人以上 民間人2600万人以上
今日の日本の繁栄の礎に英霊がいることを忘れないようにしよう。
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